半導体産業 シリコンカーバイド(SiC)の微細穴あけ加工

🕜 加工効率 - 2.5倍向上 | 📈 穴の品質 - 1.8倍改善 | ⚙️ 工具摩耗 - 3.2倍軽減
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シリコンカーバイド(焼結SiC)はなぜ加工が難しいのか?



シリコンカーバイド(SiC)は化学的・機械的安定性に優れ、高温耐性および熱衝撃耐性を備えており、半導体用の基板シャワーヘッドに最適な素材です。 

しかし、その高硬度脆性のため、加工時にはエッジクラックが大きくなる傾向があります。
さらに、切削力の制御不足セラミック粒子の排出不良によって、穴品質工具寿命が著しく低下します。


 

☑️ シリコンカーバイド(SiC)の微細穴あけ加工:加工情報

 
    シリコンカーバイド(SiC)の微細穴あけ加工:加工情報       
  材料   シリコンカーバイド (焼結 SiC)
  *材料硬度 HV2800
  *ワーク固定方法 : アルミ材上にワックス固定
  
  特徴   Φ0.4 x 4mm (盲目穴)
  
*アスペクト比 10倍
  プロセス   微細穴あけ加工  
  超音波ツールホルダ       HSKE40-R02-06
  超音波加工プロセス                超音波のパワーレベル 10%
  [パイロット穴あけ工程] 
  
S 8,000min-1 _ F 1mm/min _ G83 _ Q 0.01mm _ 
  穴あけ深さ 0.5mm

   
  超音波のパワーレベル 10%
  [本穴あけ工程]
  
S 8,000min-1 _ F 1mm/min _ G83 _ Q 0.04mm _ 
  穴あけ深さ 4mm

  
  
*加工時間: 7.2 分 (1穴あたり)
  工具選定   OSG MXD Φ0.4mm PCD ドリル


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PCDドリルを用いたシリコンカーバイド微細穴あけ加工の最適化に、HIT HSKE40超音波加工モジュールを使用
(図1. PCDドリルを用いたシリコンカーバイド微細穴あけ加工の最適化に、HIT HSKE40超音波加工モジュールを使用)


 

シリコンカーバイド(SiC)の微細穴あけ加工におけるHITの目標


本検証では、HIT HSKE40超音波加工モジュールが、PCDドリルを用いた焼結SiCの微細穴あけ加工において、加工効率・穴品質・工具寿命の最適化にどのように寄与するかを評価しました。



 

超音波支援によるシリコンカーバイド(SiC)の微細穴あけ加工の結果

 

シリコンカーバイド(SiC)の微細穴あけ加工:加工効率

パイロット穴あけ工程において超音波をONにすることで安定した加工を実現
(図2. パイロット穴あけ工程において超音波をONにすることで安定した加工を実現)


本穴あけ工程では、Q値(ピーニングドリル量)を4倍に増加させることができ、加工効率を大幅に向上
(図3. 本穴あけ工程では、Q値(ピーニングドリル量)を4倍に増加させることができ、加工効率を大幅に向上)

 
  • 超音波による高周波微振動切削抵抗を低減し、本穴あけ工程でのピーニングドリル量(Q)を0.01mmから0.04mmに引き上げ、全体の加工効率を2.5倍(1穴あたりの加工時間を18.3分から7.2分に短縮)しました。


超音波加工による加工時間短縮効果、2.5倍の効率向上
(図4. 超音波加工による加工時間短縮効果、2.5倍の効率向上)


 

シリコンカーバイド(SiC)の微細穴あけ加工:穴の品質

超音波加工によるエッジクラックのサイズが縮小
(図5. 超音波加工によるエッジクラックのサイズが縮小)


超音波加工による各穴でのエッジクラックサイズが5µm以下に制御
(図6. 超音波加工による各穴でのエッジクラックサイズが5µm以下に制御)

 
  • 超音波の導入により、切削抵抗の低減が加工の安定化に寄与しました。
  • 加工効率が2.5倍向上しても、平均エッジクラックサイズは1.8倍小さく抑えられ、良好な穴品質を維持


エッジクラックの平均サイズが小さく、1.8倍高品質な穴あけを実現
(図7. エッジクラックの平均サイズが小さく、1.8倍高品質な穴あけを実現)


 

シリコンカーバイド(SiC)の微細穴あけ加工:工具摩耗

超音波なしに比べ、チゼルエッジ部の工具摩耗が大幅に減少
(図8. 超音波なしに比べ、チゼルエッジ部の工具摩耗が大幅に減少)


すくい面でのセラミック粒子付着が少ない
(図9. すくい面でのセラミック粒子付着が少ない)


逃げ面での粒子付着も抑制
(図10. 逃げ面での粒子付着も抑制)


穴あけ後の逃げ面摩耗幅VBも小さく抑制
(図11. 穴あけ後の逃げ面摩耗幅VBも小さく抑制)

 
  • 超音波加工により、高周波微振動切削液の流入性を向上させ、セラミック粒子の排出性が改善
  • その結果、工具摩耗は3.2倍少なくなり、同一条件下での耐久性が大幅に向上しました



 

シリコンカーバイド(SiC)の微細穴あけ加工におけるHIT超音波加工技術の成果



🕜 加工効率 - Q値4倍で2.5倍向上
📈 穴の品質 - エッジクラック減少で1.8倍改善
⚙️ 工具摩耗 - 粒子排出性と切削力低減により3.2倍軽減



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シリコンカーバイド(SiC)の微細穴あけ加工:産業応用



シリコンカーバイド(Sintered SiC)の微細穴あけ加工は、半導体産業で広く利用されており、特にSiCシャワーヘッドやSiCウエハキャリアなど、エッチングや薄膜プロセスにおける重要なウエハ製造部品に使用されています。


SiC(シリコンカーバイド)はモース硬度9を有し、高精度な機械部品に最適な素材です。

この材料は優れた化学的・機械的安定性を持ち、高温耐性および熱衝撃耐性にも優れているため、基板シャワーヘッドなどの半導体製造用部品に理想的な素材です。

しかし、シリコンカーバイドの高硬度および脆性のため、加工時にはエッジクラックの大きさ工具寿命の低下などの問題が発生しやすく、良好な穴品質を得るのが困難です。



そこで登場するのが、HITの超音波加工モジュールです。HITは先進材料の加工における包括的なソリューションを提供しています。HITの超音波加工技術を利用することで、クライアントは穴品質の低下工具寿命の短さを心配することなく、加工時間の短縮を実現できます。これにより、加工効率工具寿命が大幅に向上し、さらに穴品質も改善されます。HITはお客様の要求を満たすだけでなく、それ以上の成果を保証します。


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